日本の風土
モモの花は、陰暦3月3日のひな祭りになくてはならないものですが、モモといえば、昔話の「桃太郎」を連想される方も多いでしょう。桃太郎に描かれているモモは、江戸時代の絵本から現代のテレビアニメに至るまで、そして江戸時代の美術工芸や図解百科などのモモはどれも先端のとがったモモです。しかし、現在私たちが、目にするモモのほとんどは丸く、先はとがっていない。いわゆる丸モモです。
江戸時代までモモは、花を鑑賞することの方が多く、食用としての果実はあまり美味ではなかったようです。明治時代になってから、中国より「天津水蜜」や「上海水蜜」さらにヨーロッパ系の果実用の品種が入ってきました。当初は、日本の風土にもなかなか合わなかったようですが、栽培され続けているうちに、日本の季候に適した突然変異の品種が生まれてきました。岡山県で発見された「白桃」をはじめ、神奈川県の「伝十郎」など次々に、それまでなかった美味しいモモが育成されてきました。これらの品種の多くは、「上海水蜜」の血を受け継いでいる丸モモでした。現代の果物店に並ばれているモモは、ほとんどこれらの系統の子孫なので、桃太郎に出てくるようなとんがりモモはお目にかかることが、なくなりました。
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